公益社団法人日本建築積算協会・東海北陸支部

支部報 vol.49 2008.8

支部長あいさつ <門外漢の戯言>

支部長 小野 徹郎

昨年四月の日本積算協会東海北陸支部総会におきまして支部長を仰せつかってから早いもので1年を過ぎました。
右も左も判らない門外漢が、杉浦前支部長をはじめとして現副支部長、幹事の方々、事務局の道家さん達の支えの中で何とか務めていますが、多分多くの方々にご迷惑をお掛けしているばかりではないかと危惧しています。それでも1年を経過して少しづつ積算協会の仕組みあるいは積算とはなんぞやなどが、おぼろげに判ってきた気がいたします。
そうした中で積算の素人である私が、積算に関連して不思議に思っている点を2つ述べたいと思います。  

その一つは、「そもそも積算とは」と聞かれたとき、我々門外漢は当然、設計された物件に関するコスト算出がまず浮かびます。そこには数量拾いと単価設定等が係わるものと思っております。又設計の段階では、当然全体予算の枠なかで、設計される建物の要求性能を満たすために必要なコストをはじくことが必要です。そこには性能と将来予測を踏まえた、積算サイドからいくつかの提案がなされ、クライアントや設計関係者との情報交換を基本とした大枠の数量算定とコスト設定が必要になります。
当然コストと数量拾いは一体となるものです。しかし積算を生業としてきた人に、協会本部がそうであるように、積算とコスト管理を分離する考え方があるのには驚きました。通常、世の中は積算と言えば、それらを包括的に取り扱うものと認識していることを積算に携わる人は認識すべきです。このことは積算士、コスト管理士などの制度設計の再検討にも繋がることです。  

2つめは積算教育に関連して、「積算学(工学)」という「学」が存在するのかという問題です。積算技術はその専門家がいるように確かに存在するでしょう。
設計された建物図面(不十分な図書?)を読み解き、そこに必要な材料なり資材を見積もることは、大変な歴史の中で蓄積されてきたノウハウ、技術の上に存在しています。だからこそ積算という専門性の高い技術者集団が存在しているのでしょう。しかしそこには学問体系とした、きちんとした論理が形成されているのでしょうか。経験学の中で蓄積された技術のみだとしたら、それは「学」として成立しないことになります。
例えば先に述べた設計段階での積算の関与の仕方からすれば、コスト設定に対しては、経済学による将来予測が必要でしょうし、性能を反映した数量拾いをするならば、建築が要求する性能に精通して、それに基づく積算が必要になります。すなわち性能とコストの関係が論理的に示されなければなりません。
いずれにしても経験学から脱却した「積算学」の論理的再構築が必要ではないでしょうか。高等教育の場に「積算学」を持ち込もうとするならば、その再構築を早急に進める必要が有ると思います。その結果として高等教育に積算学が導入され、積算学に関する研究論文が建築学会の中に多く出現することを期待します。  

この1年は、東海北陸支部長を仰せつかる中、私自身、名古屋工業大学を定年になり新しい大学に移動するなどあわただしい時間を過ごしてきました。
何も判らないまま右往左往してきただけの1年でした。ここに書きましたことも門外漢の的外れの感想かもしれませんが、積算の専門家、あるいはその集団の集まりである積算協会にとってお役に立つところがあるのではないかとあえてここに記しました。
的外れの点はご叱責いただき積算業界が今後ともによりよい方向に向かうよう共に考えていきたいと思っています。

(椙山女学園大学教授、名古屋工業大学名誉教授)

平成20年度 東海北陸支部 通常総会の報告

総務委員会

1.日時  平成20年4月25日(金)  16:30~17:10 

2.会場  東京第1ホテル錦 11階  チャーロ  名古屋市中区錦3-18-21 

3.出席者  当日出席者22名  委任状148通   計170名 

4.議事  16時30分佐野副支部長より、平成20年度通常総会の司会挨拶。 

一、開会の辞~川辺清次副支部長より 
平成20年度東海北陸通常総会の開会の辞。 


一、支部長挨拶(要旨) 
本日は、平成20年度支部総会にご多忙中にも拘わらずご出席いただきありがとうございます。また、本部から野呂副会長も出席いただきこの支部総会を開催できましたことをまずもって御礼申し上げます。 
建築業界は、姉歯問題の後始末の中で拙速の感がしておると感じております。また、建築業会は、建築基準法・建築士法の改正等の混乱と戦っているのが現状だと思っています。積算業界もその余波を受けてはおりますが、建築生産システムの適正化という流れは、本来の建築積算業務にとっては重要性を増していることになり、ある意味では追い風となる部分があるのではないかと思っています。 
しかしながら、建築積算協会は、非常に多くの構造的な問題を抱えております。財政問題、会員構成の高齢化に伴う会員減少、CPD制度の確立、会員サービス等々、非常に多くの側面で問題が山積みとなっており、一見負のスパイラルに陥っているような困難な状況にあると思っています。しかしながら、これらについて我々は、手をこまねいて見過ごしているわけにはいかないのであり、これらの問題を解決するには、本部と各支部が連携をとり会員の皆様のバックアップを受け一つ一つ問題に対し、地道に取り組んでいく方法しかないわけであります。 
東海北陸支部では、そのひとつとしてCPD認証の支部としてのシステムの確立を進めております。 先般、建築CPD制度の活用について、愛知県と名古屋市に対し建築関連団体が連携して要望し、そのご理解を得たところであります。また、「建築積算資格者」「建築コスト管理士」の活用に関して、愛知県の入札制度の中で、これらの資格保有の義務化をお願いしております。このような、活動が実を結び、社会システムの中で積算資格が明確に確立され、積算資格者の地位向上に繋がることを期待しております。 
積算業務の重要性が認識され、本当の意味で建築生産の川上に位置付けられ、積算業界が活性化し発展していくように皆さんと頑張って参りますので、会員の皆さん更なる強力なバックアップのお願いをして、本日のご挨拶とさせていただきます。 


一、 来賓ご挨拶 
本部より野呂副会長にご出席頂き、ご挨拶を頂戴致しました。 


一、 定足数の確認(道家事務局長より) 
本日出席会員数22名  有効委任状148名   計170名。 平成20年3月31日現在の正会員数248名。議決に必要定足数は定款第28条により正会員数の1/2以上、つまり124名以上が成立要件です。従ってこの総会は成立していますと報告。 


一、議長選出 
司会者より、支部規定第7条第1項の規定により、小野徹郎支部長を指名。 

◇ 議事録署名人の指名 
議長より議事録署名人として林進氏と佐藤佳久氏のお二方を指名。 


一、議案審議 
■第1号議案 平成19年度事業報告承認の件 
議長から平成19年度事業報告を佐藤総務委員長より報告させるとの発言があった。指名により佐藤総務委員長から平成19年度事業報告の説明があり、審議に入る。 
議長からご質問、ご意見のある方の発言を求めた。異議なしの発言があり、満場の拍手で第1号議案を承認した。 

■第2号議案  平成19年度収支決算(案) 及び監査報告承認の件 
議長から、平成19年度収支決算(案)を道家事務局長より報告させるとの発言があった。指名により道家事務局長から平成19年度収支決算報告(案)の説明があり、審議に入る。 
会計監事を代表して植田隆明会計監事から収支はいずれも正確であると報告があった。 
議長からご質問、ご意見のある方の発言を求めた。異議なしの発言があり、満場の拍手で第2号議案を承認した。 

■第3号議案  平成20年度事業計画(案) に関する件 
議長から平成20年度事業計画(案)を佐藤総務委員長から報告させるとの発言があった。指名により佐藤総務委員長から平成20年度事業計画(案)の説明があり、審議に入る。 
議長からご質問、ご意見のある方の発言を求めた。異議なしの発言があり、満場の拍手で第3号議案を承認した。 

■第4号議案  平成20年度収支予算(案) に関する件 
議長から、平成20年度収支予算(案)について道家事務局長より報告させるとの発言があった。指名により道家事務局長から平成20年度収支予算(案)の説明があり、審議に入る。 
議長からご質問、ご意見のある方の発言を求めた。異議なしの発言があり、満場の拍手で第4号議案を承認した。 

■第5号議案  東海北陸支部規程の改定(案)に関する件 
議長から東海北陸支部規程改定(案)について佐藤総務委員長から報告させるとの発言があった。指名により佐藤総務委員長から東海北陸支部規程改定(案)の説明があり、審議に入る。 
議長らご質問、ご意見のある方の発言を求めた。異議なしの発言があり、満場の拍手で第5号議案を承認した。 議案審議無事終了し,議長退席。 


一、閉会の辞~硎谷副支部長よりあり
17時10分閉会。



総会終了後に懇親会を開催し、愛知県建設部建築担当局公共建築課課長後藤光利様を始め多数の来賓のご列席をいただきました。

平成19年度終始決算書

自 平成19年4月 1日
至 平成20年3月31日

[収入の部] (単位 円)

科 目 予算額 決算額 差 異
会 費 収 入 240,000 180,000 ▲60,000
一般事業収入 8,616,000 6,012,867 ▲2,603,133
  教育事業収入 3,334,000 1,055,550 ▲2,278,450
  その他事業収入 5,282,000 4,957,317 ▲324,683
特別事業収入 120,000 125,850 5,850
その他収入 421,000 403,356 ▲17,644
支部運営金収入 8,676,000 8,707,860 31,860
 当期収入合計 (A) 18,073,000 15,429,933 ▲2,643,067
 前期繰越収支差額 2,033,689 2,033,689 0
 収入合計 (B) 20,106,689 17,463,622 ▲2,643,067

[支出の部] (単位 円)

科 目 予算額 決算額 差 異
一般事業費 9,008,000 6,153,854 ▲2,854,146
  会誌発行費 434,000 339,245 ▲94,755
  教育事業費 2,786,000 633,758 ▲2,152,242
  その他事業費 5,788,000 5,180,851 ▲607,149
特別事業費 1,228,000 990,366 ▲237,634
  試験費 260,000 271,626 11,626
  更新講習費 968,000 718,740 ▲249,260
管理費 7,837,000 7,759,251 ▲77,749
 当期支出計(C) 18,073,000 14,903,471 ▲3,169,529
 当期支出差額(A-C) 0 526,462 526,462
 次期繰越収支差額(B-C) 2,033,689 2,560,151 526,462

貸 借 対 照 表
(平成20年3月31日現在)(単位 円)

資産の部 負債の部
科目 金額 科目 金額
現金 40,856 正味財産 2,560,151
普通預金 2,446,923    
仮払金 0    
在庫図書 72,372    
立替金 0    
合計 2,560,151 合計 2,560,151

平成20年度収支予算書

自 平成20年4月 1日
至 平成21年3月31日

[収入の部](単位 円)

科 目 予算額 決算額 差 異
会 費 収 入 140,000 240,000 ▲100,000
一般事業収入 4,048,000 8,616,000 ▲4,568,000
  教育事業収入 2,583,000 3,334,000 ▲751,000
  その他事業収入 1,465,000 5,282,000 ▲3,817,000
特別事業収入 74,000 120,000 0
その他収入 423,000 421,000 2,000
支部運営金収入 8,676,000 8,676,000 0
  当期収入合計 (A) 13,361,000 18,073,000 ▲4,712,000
  前期繰越収支差額 2,560,151 2,033,689 526,462
  収入合計 (B) 15,921,151 20,106,689 ▲4,185,538

[支出の部](単位 円)

科 目 予算額 決算額 差 異
一般事業費 4,857,000 9,008,000 4,151,000
  会誌発行費 400,000 434,000 ▲34,000
  教育事業費 1,806,000 2,786,000 ▲980,000
  その他事業費 2,651,000 5,788,000 ▲3,137,000
特別事業費 2,066,000 1,228,000 838,000
  試験費 689,000 260,000 429,000
  更新講習費 1,377,000 968,000 409,000
管理費 6,438,000 7,837,000 ▲1,399,000
  当期支出計(C) 13,361,000 18,073,000 ▲4,712,000
  当期支出差額(A-C) 0 0 0
  次期繰越収支差額(B-C) 2,560,151 2,033,689 526,462

平成20年度支部事業計画

Ⅰ.支部事業活動方針

厳しい建築業界の現状を背景に積算協会も財政問題を含めて多くの問題を抱えている。本年度は従来からの活動の継続を基本としながらも見直しを行い、財政基盤にふさわしい活動内容とする。具体的には以下の事項を支部運営の基本として活動を行う。 
1) 従来の活動の継続 
2) 積算関連資格の社会的認知と実質的な活用についての周辺整備。 
3) 電子情報を利用した会員サービスの向上。 
4) 支部財政状況を踏まえた支部事業の運営の見直し。  

積算資格の社会的認知を高めることは、積算資格に対する需要を引き起こし、ひいては積算資格者、会員増加に繋がり積算協会の基盤を固めることになる。また会員へのサービスをサービス低下に繋がらないよう配慮しつつ、電子情報の多角的な運用をもって財政的な軽減に繋がる見直しを図る。支部の各種行事についてもこれまでの慣習にとらわれず簡素化出来るところは簡素化し会員各位のご理解を得ながら、実質的な内容低下に繋がらないように活動を行う。

Ⅱ.支部委員会活動

◇総務委員会
①協会に新しい魅力を創出し会勢拡大に努める。
②各委員会との調整を図る。 ③事務局業務の効率化とコスト削減を図る。

◇会員委員会
①会員・賛助会員へ情報提供、サービスの寄与及び親睦を図る事業を行う。
②現場見学会を開催し、会員相互の親睦を図る。 ③関係諸団体との技術交流を深め、技術力の向上を高めるための活動を行う。 ④メールアドレス帳の整備を行い、会員への情報発信がメールできる仕組み作りを進める。

◇広報委員会
① 会員・賛助会員への情報提供誌として充実した支部報を継続して発行する。
② 会員交流の場として、会員投稿ページを設ける。
③ 会員以外への広報活動の充実を図る。

◇ホームページ委員会
① タイムリーな保守による支部ホームページの運営を図る。
② 更なる会員サービスの充実を図る。・各委員長と連携し、委員会議事録をホームページに掲載する。

◇講習委員会
①各種研修会・講習会を積極的に実施する。
②建築積算資格者更新講習会へ講師を派遣する。
③地域部会が実施する積算研修会を支援する。
④地方の会社へ講師を派遣する出張講習会を開催する。
⑤積算事務所向けの工種別勉強会を開催する。
⑥本部講習・CPD委員会との連携を図る。

◇教育委員会
①管内地方公共団体等から研修会の講師の派遣依頼要請に応えるために、講師の派遣を行う。
②工業高校の生徒を対象とした積算教育へ社会人講師の派遣を行う。
③工業高校の先生向けに、積算教育教材作成の支援をする。

◇資格制度委員会
本部が実施する建築積算資格者試験・建築コスト管理士試験及び建築積算資格者更新講習事業を支援する。
①建築積算資格者試験一次試験(学科)
   昭和ビル 平成20年10月26日(日)二次試験(実技)
   昭和ビル 平成21年 1月25日(日)
②建築コスト管理士試験
  昭和ビル 平成20年10月26日(日)
③建築積算資格者更新講習会
名古屋会場 平成20年11月22日(土)  ウィル愛知(愛知県女性総合センター)
金沢会場  平成20年11月 8日(土)  石川県地場産業振興センター
静岡会場 平成20年11月 29日(土)  静岡労政会館

◇設計審査委員会
岐阜県の社会福祉施設建設の設計審査制度変更への対応を図る。

◇地域連絡委員会
①地域別勉強会を講習委員会と連携して実施する。
②新規会員の勧誘を行い、地域部会の活性化を図る。

◇ 特別委員会
①データベース特別委員会データベースの情報整備・拡充と利用しやすい環境の整備に努める。
・福祉建物補助事業データの資料化と会員への公開(グラフ化等)
・北陸方面の生コン情報のHPへの掲載
・データベース内の情報充実  (木造住宅耐震改修工事概算シート、物価版の利用、積算チェックのノウハウ)

平成20年度愛知県建設技術研修

講師 西田 彰

愛知県は、県及び市町村の建設部の技術職員(主に初任者)を対象とした研修会「建築共通基礎講座」を開催しております。当協会は今年も90分の枠をいただき、6月18日に産業貿易館の隣のアイリス愛知にある愛知県自治研修所で、お話をしました。今年の受講者は 36名でした。  

私がこの講習会を受け持って9年目になりますが、数量積算の経験者が徐々に少なくなっています。皆さんに少しでも積算(見積もるという行為)が何であるかを知っていただけるように、そして皆さんが職場に戻って実務に役立つようにと務めてきました。

第一部「積算とは?見積とは?→新約聖書に始まる見積の歴史→日本での見積の始まり(延喜式)→余談:金剛組の話→中世・近世での見積と入れ札(損色)→入れ札の弊害(新井白石)→幕府の積算・入れ札についての三大改革→本途帳→皆さんの仕事とは→設計書のチェック」という内容です。 

第二部は、積算実習です。拾いを教えてほしいとのリクエストがあり、以前には「内装」「土工」を解説してきました。吉兆ではあるまいし、毎年同じネタの使い回しはやめまして、今年は「建具の拾いから内訳まで」としました。 

第三部は、第一部の続きで「強面のするチェックマンになるためには」です。設計審査委員会で使用している100項目のチェックを、A4二枚42項目にまとめたもので説明をしています。 

お土産は、積算基準をわかりやすくまとめた「建築数量積算基準のポイント」です。至れり尽くせりのサービスです。 

最後に、積算協会の活動のお話、建築積算資格者の活用のお願い、書籍の紹介をして全90分、何とか今年も終わりました。フ~ッ! 講義室にエアコンが入っていないなんて・・・。 

レッツ・スキルアップ!! 講習委員会だより

講習委員会 
委員 伊藤 健蔵

近頃、CPD制度という言葉をよく耳にする方も多くいらっしゃると思います。 

英単語の頭文字を並べると日本語の長い説明が省略され覚えやすい反面、意味が全く解らない単語が多くありますのでCPDについて簡単に説明します。 

CPDとは技術者の継続研鑽・継続教育(CPD:Continuing Professional Development)を表し、生涯にわたり技術者としての義務を果たし、責任を全うするためには、常に最新の知識や技術を修得し、自己の能力の維持・向上を図ることを目的とした制度です。 

どんな産業にもいえることですが、めまぐるしい早さで進化する現代社会において、その継続教育の必要性が広く認識され、国土交通省などではその知識や技術の修得過程が技術者の評価として取り入れられるようになってきました。 

多様化した社会において新しい課題に的確に答えていくためには、専門とする技術領域はもとより、幅広い領域で奥深い技術を習得していくことが必要です。 

そのため、講習委員会では多くの継続教育プログラムの中から、自分のニーズに合ったプログラムを適切に選択できるように、今年度はスキルアップをテーマに多くの講習会を企画しております。 

まず、6月より「ここが知りたい積算勉強会」が月2回のペースで始まりました。来年8月までの内容はすでにHPにて掲載しており、これは毎回テーマを決めて、それぞれ専門業者の方などを講師に招いて座談会形式のセミナーを行います。 

日頃、疑問に思っていることやもっと詳しく知りたいことなどを専門分野の方から聞くことのできる絶好の機会です。聞いてみたいプログラムを絞り込んで参加することも出来ますので、奮って参加してください。 

また、7月には「初級建築積算」講座がありますが、本年度は今までの初級講習会のスタイルを変え、建築積算の基本や考え方そして積算基準の目的などをしっかりと説明し、実技を体験して貰う「初級の初級研修会」とより専門的に実技を学ぶ「初級の中級研修会」の二つに分けて開催することにいたしました。 

8月から9月にかけては「建築数量積算基準・同解説(平成18年版)」の講習会を、高山・福井・名古屋・浜松・三島・津で開催し、東海北陸地区で活躍されている方々に気軽に受講していただけるものと期待しております。 

9月にはテキストも新たに補足した「建築コスト管理ガイドブック」の講習会を、10月には昨年好評を得ました「建築積算のチェック手法」の講習会を開催します。 

なお、来年早々には設備と建築工事の取り合い関連を念頭に置いた「建築設備積算」の講習会や「建築改修工事の積算」の講習会も開催を予定しております。 

今年度の講習会は多忙な会員の皆様が受講しやすいように、土曜日に多くの講習会を予定しており、開催地もできるだけ多くの地域を選定しております。 多忙な日常業務に追われる中、冷静に自己の技術を見直してみる時間を作ってみませんか。 

今年の目標は“レッツ・スキルアップ”、時代の波に乗り遅れないように一緒に自己研鑽に励みましょう。 
詳しくはホームページにて。 

積算とは何ぞや? 教育委員会だより

教育委員会 
委員長 藤井 正王

私は教育委員長でもありますが、講習委員として、講習会の講師も時々勤めさせて頂いております。今年から私の発案で、初級講習会を「初級の初級」と「初級の中級」に分けて行なうようになりました。「初級の初級」とは、積算とは何ぞやから始まり積算基準の目的そして、決して難しく考えてはいけない数量積算などを説明し、「初級の中級」はそれを踏まえて、実際の数量積算をやさしく解説しようとした講習会です。

これは昨年度から工業高校に挨拶に伺ってよく分かったのですが、先生方が一様に仰るには、積算は学生には難しくて、とても理解できる様な内容では無いし、適切なテキストが無いので、非常に難しいと言う意見が大半でした。たしかに積算の難しさはありますが、作業としての積算は大半が数量積算であり、入り口としては、建具のか所数を数える事から始まりますし、数量積算は前回の支部報にも書いたように、数学(公式・方程式・積分・微分)で無く、算数(足し算・引き算・掛け算・割り算)の世界ですので、決して難しい物では無いのです。さらに計算で出ない数量はスケールで計った数字を使ってもいいのです。その事を十分に理解できれば、決して難しい事ではなくなるでしょう。

そして、積算とは一体どんなことを示しているのでしょうか?よく言われるのは積算は数量拾いで見積りは値入れ作業と解釈している人が多いと思います。それは決して間違いではないのですが、日本建築積算協会として、ひとつの定義を示しています。積算協会発行の「建築積算テキスト」で「建築積算は、事前に建築コストを予測することが第一の目的となっています。事前に予測され る建築コストは、事前原価と呼ばれます。工事が完了した段階の建築コストは、事後原価といわれますが、建築積算は、事後原価を把握することも目的となっています。」

「建築積算は、企画書や設計図などから、必要 な工事を洗い出し、各工事に必要な数量を計測する「数量積算」が基礎となっています。しかし建築積算の目的は、あくまでも建築コストの算定です。数量積算によって算出された項目別の数量を基に、対応する価格を設定し、工事費を予測したり、完成に要した工事費を計算します。」

「建築コストは、建築物をつくる過程で大変大 きな影響を及ぼします。そこで建築コストの管理は重要となりますが、建築コストを管理するには、建築積算が不可欠です。建築積算の知識や技術を身につけている者がはじめておこなえる仕事です。年々建築コストに対する関心が高まってきています。いいものを安くつくるには、建築コストの透明性、客観性、妥当性が求められますが、この目的を果たすのが建築積算です。」

そして、建築数量積算基準の目的として、 「積算することにより異なることの多い細目の数量の計測・計算において、誰が積算してもその数量の差が許容範囲を超えない計測・計算法を創出する。」とあります。

これからは、工業高校、専門学校、工業大学及び社会人に対して、この基本の基本と言える、積算とは何ぞや?と建築積算基準とは何ぞや?をしっかり理解して貰えるように普及活動に勤めていきたいと思います。

資格制度委員会だより

資格制度委員会 
委員長 林 進

建築積算資格者試験が10月に更新講習が11月に名古屋、静岡、金沢の3会場で実施されます。 

建築積算資格者および建築コスト管理士の目的として積算技術者の知識および技術の向上があります。建築生産の発展と社会に寄与すると共に社会的地位の向上を図るものです。 

本年度の更新講習および試験をご案内いたします。 

建築積算資格者更新講習

名古屋会場 
日時 平成20年11月22日(土) 
場所 ウィルあいち(愛知県女性総合センター)  

金沢会場 
日時 平成20年11月 8日(土) 
場所 石川県地場産業振興センター 

静岡会場 
日時 平成20年11月29日(土) 
場所 静岡労政会館

建築積算資格者試験

一次試験 
日時 平成20年10月26日(日) 
場所 昭和ビル 9階 会議室 

二次試験 
日時 平成21年 1月25日(日) 
場所 昭和ビル 9階 大ホール

建築コスト管理士

筆記・論文試験 
日時 平成20年10月26日(日) 
場所 昭和ビル 9階 会議室

設計審査委員会だより

設計審査委員会
委員長 西田 彰

岐阜県は、平成13年度より社会福祉施設の新設や整備等をするにあたり補助金を受ける場合には、過大または過小な見積等による不適切な施設整備を回避する為に設計審査を義務化し、当協会(東海北陸支部)がその審査業務を行なってきました。しかし、平成20年度からは、設計審査は必須ではないということになりました。 

県費不足による経費の見直しをした。補助金制度の変更により設計書を水増しする必要がなくなった。不正受給があった場合に、返却させるシステムが確立した。これらの理由で設計審査は「義務」ではなく、法人の自己防衛として任意に設計審査を受けさせる「指導」となりました。 

審査が始まってから7年が過ぎました。設計審査委員会は、よりよい設計書作りを指導してきました。しかし、ズサンな設計書が多いのには驚かされます。特に、図面内容を変更せず単価操作によってのみ予算額に合わせた設計書です。購入不可能な資材単価。メーカー見積の低い査定率。低い共通仮設・諸経費率。至る所に操作の跡が見られます。このような場合には工事費の追加要求があったり、建物の品質が低下したり、手薄な現場管理による数多くの影響も発生します。 

この記事を読まれた施主、また、心ある設計者の皆様に申し上げたい・・少なくとも常識範囲内の工事金額であること、その設計書内容(工事費)が、どのようなレベル(位置)の物であるかを認識しておいていただきたいものです。施主の財産の不要な流出を無くす為にも的確な設計書作りをしていただきたいものです。 

当協会の東海北陸支部では「建築積算資格者」が約2000名おります。審査を受けなくても、より良い設計書作りの為には「建築積算資格者」の活用をお願いいたします。 

データベース委員会だより

データベース委員会 
委員長 宇野純也

職を辞して早1年強経ち、私は何をしたかこのごろ考えるところであります。
自宅で当地内の営農組合役員として、またパソコンを使うことができるだけで会計をすることになり、経理一元化で<賃借対照表><損益計算書>方式で会計をすることも皆さんに聞きながら書類作成をしたり、また農業は天候に左右されることが多く計画通りことが進まなく突発的に人夫になったり、お米をつくるのに当地内で水の管理の当番になって田植えから刈り取りの時期まで水の水位の確認に行ったりしています。
また今年からは当地内の60歳以上の団体である老人クラブのこれまたパソコンができるだけで会計をすることになりましたが、会計はさることそのほか、3役であるため、行事の執行部であることの方がたいへんであります。
それであるため約1ヶ月に1度程度のデータベース委員会・役員会は建築の情報を得る随一の機会であり、会議後の食事がまた一つの楽しみであります。
このような私がデータベース委員会の委員長として何ができるかを考えるこのごろです。 

ホームページのデザインが一新されましたのを機会にさらの努力をするデータベース委員会の今後の活動状況 
1)<福祉建物事業データのグラフ化>掲載 
2)<物価版の利用法・読み方>の充実 
3)<チェックのノウハウ>掲載 
4)<木造住宅耐震改修工事概算シート>の充実 
5)その他 

委員会メンバーだけではどうすることもできないことが多くあり会員の方々のご意見をデータベース委員会へ、支部の掲示板、メール、FAX等にてお寄せくださる用お願いいたします。 

ホームページ委員会だより

ホームページ委員会
委員 松岡 貴敏

会員のみなさん最近積算協会東海北陸支部ホームページ見ていますか? 
一昨年までのよりはますますよくなっています。(現在進行形です。) http://bsi-th.052e.com/ 

ホームページの更新が以前よりも断然早くされています。トップページを見ていただくと解るように更新日の間隔がせまくなっています。 (広いところもありますが・・・) 

ホームページ委員全員ですばやく更新できるようがんばっています。 (私はまだ他の人たちに比べそんなに技術があるわけでもなく、みんなに教えてもらいながら完璧ではありませんが更新することを心掛けています。) 

今後も会員のみなさまに喜んでもらえるようなホームページになるよう、他の委員ともどもがんばっていくのでご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。 
どのようにしていったらよいかみなさんの意見をお聞かせ下さい。 
ご意見の募集先は事務局まで 
toukaihokuriku@bsij.or.jp 
FAXでもかまいません。 052-264-0662 
ご意見どんどん下さい。 よろしくお願い致します。 

報告とか告知みたいなものはありませんがホームページ委員会だより終わります。

会員委員会よりお知らせ

会員委員会
委員長 川辺 清次

会員委員会は一言でいえば会員サービスをする委員会である。 

過去は会員間の親睦を目的として、ボーリング大会・なかなか実際に行くチャンスが少ない工事現場見学会等を企画・実行していました。
昨年はボーリング大会でもと思いましたが今更・・・と言う感じで延び延びになってしまいました。

じゃあ今年は?・・・と言うと・・・ 工事中の現場もなかなか「目新しい」「特殊な」と言った現場も少なく、又、確認申請のせいか 現場での工程が厳しく施工会社の承諾が得られずどうしたものかと思っていたところ、他会で開催したホームシアターの見学会が大変良かったので、是非企画して開催したいと思っています。 
大体暑い夏を避けて9月に入ったら準備しますので、乞うご期待下さい。その時にはホームページにも載せますのでよろしくお願いします。 

又、こちらからのお知らせを迅速に しかも経済的にご連絡する為に、会員の皆々様のメールアドレスをお聞きしたいと思います。
勿論、個人情報の原則は厳守致しますので何卒ご協力の程お願い申し上げます。 

CPD制度の参加登録のお願い

講習・CPD運営委員会
伊藤 健蔵

講習委員会だよりで、CPD制度について簡単な説明をしましたが、前号でも紹介しましたように、BSIJ-CPD制度の対象者には「協会が実施する資格制度によって認定された資格者は、このCPD制度に参加しなければならない」とされており、有資格者(建築コスト管理士・建築積算資格者)及び会員以外でも登録は可能となっています。しかし、現状は登録者数が伸びておらず、特に建築コスト管理士の資格者においては、その単位数が更新の条件になっていますので、必ずCPD制度に参加する必要があります。

単位を取得するためのプログラムが少ないのではないかという意見も少なくありませんが、自動的に単位登録されるセミナーばかりではなく、自己申請により単位を取得することも出来ます。
詳しい解説は、当協会ホームページの「CPD(継続職能教育)」の中に「自己申請における記述雛形」として解りやすく説明がありますので参考にしてください。

自己申請の中には、協会誌「建築と積算」の購読やその他専門誌での自己研修による
自己学習型
や、実務による
実務実績型
がありますので、そちらでも年度末に180文字程度で修得内容を一括申請すれば単位は取得できます。

耐震偽装問題などを契機に職能の細分化や継続教育の必要性が社会的に高まっています。
資格更新のためには単位取得も必要ですが、CPD制度本来の目的は専門技術能力の継続的向上を目指す自己啓発行為の支援にあります。

会員ならびに有資格者の皆さん、当協会CPD制度は他の建築団体とも連携をとっており、自らが情報を選択し進んで参加していただけることを期待しております。

協会について考える -2-

顧問  杉浦 譲治

さる7月4日、沖縄で全国大会が開催されました。 最後の機会と思い出席しましたのでその感想から始めたいと思います。 

当会前副会長の当会顧問松田順吉先生の基調講演では非常に重要な問題提起がありましたが、後ほど述べさせていただきます。 

私にとって非常に気になる「フォーラムディスカッション」について述べたいと思います。 
テーマは「地域社会に根ざす積算技術者」でありその中で多くの時間を費やしたのが「積算技術者の予算書への署名の問題であり「経営審査への加点」の問題でした。 
勿論これらの問題は「建築積算資格者」の有資格者を増やすと言う意味では大事なことでありますが、官公庁工事における総価入札方式が主流の現在、数量積算及びその個々の対価があまり重要と認識されていないわけで、実現の可能性は非常に薄いと私は思っていますがいかがでしょうか。 

まれに当支部の岐阜県における数量審査事業のように業務の内容に数量そのものが問われた場合、当支部は設計者の提示する予算書に「建築積算資格者」の記名捺印をお願いしたところ、その予算書における数量の格段の進化や資格者の受験者数の増加があったことは事実であります。 
しかし、このような事例はまれにしか発生しない事例ではないでしょうか。また、民間工事にあっても一式請負方式が主流である以上当然であります。 
「建築数量積算基準」が制定されて数量においては論理的な判断基準が確立しましたが、残念ながら適正プライスへの論理的なアプローチは現在まだなされていません。 

このフォーラムで小野支部長は、一般の人の積算の解釈と教育カリキュラムについて発言してみえますが、数量積算のみが積算ではないと言うことは資格者の皆さんのみならず会員の皆さんも十分ご存知だと思います。しかしながらコスト面でこれを論理的に導き出す方策が無い以上、資格者がその数量とコストに責任を持って署名することはあまり意味の無いことだと思っています。 

私は先号で「実績コストから適正プライスへ導くメカニズムの研究」についての藤本氏のご発言を紹介させていただきました。 
小野支部長は、数量積算技術のみでは大学における教育カリキュラムとして成り立たないと言われます。当然のことと思います。 

PAQSにおける積算資格の相互認証の問題では、資格制度そのものが認められたのではなく、当会が実施している「PMスクール」のカリキュラムが認められたと聞き及びます。 
このカリキュラムの整理と先ほどのメカニズムの研究は十分に我が国の積算学のスタートとなりうると考えますが如何でしょうか。 

松田先生は基調講演の中で、建設業に積算データの膨大な蓄積がありこれらを自らのために積極的に公開するべきであると言われています。「選択と集中」の方針の中でスタートした当会のデータベース作成の事業は支部の担当委員に聞くところによればストップしていると聞きます。非常に残念なことです。公益法人でしか出来ないことを確実に行ってほしいと考えます。 
松田先生の基調講演については是非次号で書きたいと思います。
(つづく) 

第13回全国大会in沖縄

大会テーマ: 振り返れば未来が見える 『建築積算技術者の将来像!』
サブテーマ : 地域社会に根ざす積算技術者


第13回全国大会が下記の内容で行われました。
日付 : 平成20年7月4日(金)
会場 : ロワジールホテル那覇

司会:蓑原 利美

第一部 大会式典

開会の辞 副会長 佐藤 隆良
物故者への黙祷 司会 蓑原 利美
歓迎挨拶 大会実行委員長 戸構 國夫
来賓紹介 大会実行副委員長 青柳 正尚
会長挨拶 会長 藤上 輝之
来賓祝辞 内閣府 沖縄総合事務局  
  次長 木下 誠也
  沖縄県 知事 仲井眞弘多
  那覇市 市長 翁長 雄志
  (社)沖縄県建設業協会 会長 呉屋 守将
祝電披露 司会 蓑原 利美
大会宣言 副会長 塩田 克彦
閉会の辞 大会実行副委員長 西野 守正

第二部 基調講演 「建築生産システムで積算技術者は常にリーダー」

講師 (社)日本建築積算協会 顧問 松田 順吉

第三部 フォーラムディスカッション 「地域社会に根ざす積算技術者」

東北支部 高根 満
東海北陸支部 藤井 正王
中国四国支部 網代木 元
九州支部 沖縄地区 宮里 辰秀
九州支部 コーディネーター 上村公仁隆

懇親会

幕開け演奏

琉球古典音楽 琉球古典安富祖流音楽研究朝一会

開会のことば

大会実行副委員長 小牟礼昭雄

会長挨拶

協会会長 藤上 輝之

来賓挨拶

内閣府 沖縄総合事務局 次長 木下 誠也

琉球古典音楽独唱

仲風節  
国指定重要無形文化財
琉球古典音楽保持者(人間国宝)
照喜名 朝一

乾杯

(社)沖縄県建築設計事務所協会 会長 新城 安雄

祝いの舞


琉球舞踊 四つ竹
琉球舞踊 四つ竹
琉球舞踊 加那ーヨー天川
琉球舞踊 加那ーヨー天川

閉会のことば

大会実行委員長 戸構 國夫

沖縄と大会考察

株式会社 二葉積算名古屋支社 中川 英人

リフレッシュするには費用はかかるが、やっぱり沖縄がいい! 青森から鹿児島まで、どこの街に行っても変り映えしない風景が目に写るだけでさほど感動は覚えない。しかし、沖縄は違う。気候、青い空と海、今も受け継がれる琉球文化!それに加えて建物の打放し仕上げがシルバーメタリックに美しく輝いて見えたのは私だけだろうか! 

沖縄の建設に関して少々・・。
実は二年ほど前、姫路の建設会社にいる知人から「沖縄で仕事をやる事になって見積りはとりあえず作ったが、単価がどうも心配なのでチェックしてくれないか」と相談があった。友人でもあるので無償で単価を入れ直して送って差し上げた。
そのまま施主に出したとは思わないが、後で聞いた話では「価格や調達には問題はなかったけれども、慣例でどんな現場も必ず基礎部のシロアリ駆除をやる」とか「サンゴ保護の為に赤土流出防止条例があってその対策費に思いがけない費用が掛かった」と言っていた。こちらとしても事前にそこまでの情報にたどり着けなかったのは残念だったが、よい勉強になった。
特別なもの以外は大体沖縄本島内で調達出来るようで価格も本土と大差は無い。また、沖縄の建築物は殆どがRCで、型枠工など、特に躯体工職人は充実しているし、技術的にもかなりレベルは高かったらしい。コンクリート打放し仕上げの輝きが特別なものに見えたのもそれなりの理由があるようだ。 

そんな沖縄の底抜けに青い海と空、そして輝く打放し仕上げとは裏腹に、積算協会全国大会はどうであったか・・・。雨天曇天、私個人としてはどうしょうもない空しさに心がおおわれたのである。 

地域に根ざす?積算資格者の署名?積算工数を認めてもらう?全く私の頭からは出てこない発想や言葉が乱れ飛んだ。何十年こんな事を言い続けているのだろう、常にコスト情報を発信している立場からすれば、会員に啓蒙する内容と方向が、自分の思いとかけ離れていることに気付き、よけいに空しく感ずるのであった。 

日頃の業務で、民間発注者には業者見積書評価報告、外資系オーナーの為には英訳内訳作成業務と日本の建設事情レポート、海外案件に携わる方へは世界各地のコスト情報の提供、設計事務所へは基本構想からのコストアドバイス、コストレビュー、概算、設計プロポでのプレゼンテーション共同参画、追加予算要求の為の物価指数変動調査資料作成などコスト業務は無限にある。そして、これらは数量積算では想像できないほどの報酬を、事実、我々は頂戴しているのである。 

企画段階における検討資料で構造コスト比較をよく求められる事があり、建設市場の動向と蓄積したデータベースによりタイムリーなコスト資料を提供する事などは川上の最たる業務ではないだろうか。嫌味な奴と思われても構わないが、積算技術者はこうだと自負している。これらが提供できてこそ、始めて数量積算に対する価値も生じ、積算技術者が職能として確立ができると信じて疑わないのである。 

大会のパンフレットに、あえて故宮谷重雄氏の「積算の定義」が掲載された。
さらりと受け流しておきながら、積算資格者署名や積算工数云々を言う人は、例えるなら、コストに助言が欲しいクライアントに対し「積算資格者です」などと言いながら「面倒なコストの事は我々の知るところではない。でも、上手に数量を拾いましたので賃上げお願いしまぁ~す」などと言っている厚顔無恥な詐欺師と同質だと思う。
反対に猛省してコストを勉強し技術研鑽する人は、松田順吉氏の基調講演にあった通り、やがては建築生産システムの川上に立ち、常にリーダーとなる人だと思わずにいられなかった。 

沖縄全国大会(番外)

岐阜部会 松岡 貴敏

前回の東京で行われた大会からはや数年・・・ 今年はなんと沖縄(私自身初沖縄)です。 大会自体の事は他の人にまかせるとして私は沖縄観光について書きたいと思います。 

1日目    
7時30分 中部国際空港(セントレア)着    
8時40分 出発    
11時40分頃 沖縄那覇空港到着    
12時頃 昼食(沖縄らしい食べ物はこのときぐらいです。)    
13時30分頃 全国大会    
18時 懇親会 

懇親会では人間国宝の方が見えたりして沖縄って感じの踊りなど余興で大いに盛り上がっていました。 
私といえば知り合いのいるテーブルからほとんど動かず飲んだり食べたりしていましたが、次回の全国大会に行く機会があるならばそういう事のないよう気をつけたいと思いました。    

20時30分頃 2次会みたいなのもの 


2日目    
9時頃 ホテル出発    
10時頃 ひめゆりの塔 
ひめゆりの塔に行くと言われて思った事は何か映画の題名かなと思ったぐらいでよくわからない所でした。しかし、その場に行ってみると何にも知らなかった事について少し恥ずかしいと思いました。そこでは献花してきました。 
資料館では見るものすべてがせつなくなってきました。私は戦争を体験していませんが戦争は悲惨で残酷で、2度と起きてはいけない(起こしては)と思いました。

13時すぎ 昼食(木下食堂) 
昼食は木下食堂(グルメ雑誌にはよくでてるらしい)で沖縄そばとジューシー(炊き込みごはん)でした。とくにジューシーはとてもおいしかった。    

14時頃 美ら海水族館
美ら海水族館ではジンベイザメやマンタがはいっている水槽のでかさに感動しました。

17時頃 ヘリオス酒蔵 
ヘリオス酒蔵では本当は工場見学の予定でしたが、水族館にいる時間が予定より長くなりまして見学は出来なく、酒蔵に案内されて説明を聞きました。 
泡盛の水割りの比率は泡盛1:水1が一番おいしくいただける割合だそうです。試飲をさせてもらった中で一番おいしかったものをお土産として買いました。
次の日空港で買ったものと同じものがありましたが値段が空港の方が安かったのでちょっと悔しかったです。    

18時30分頃 免税店 
沖縄に免税店があるとは知りませんでした。何も買いませんでした。    

20時頃 夕食
23時頃 2次会みたいなもの 


3日目    
9時頃 ホテル出発    
10時頃 那覇空港着    
11時40分 出発(時間遅れる) 

2泊3日の初の沖縄旅行が終わりました。 
沖縄にずっと住みたいと思いませんが生きている間に最低あと1回ぐらいは行きたいと思いました。 
暑いのはかんべんです!! 

大会のあくる日

会員その1

写真はお土産のシーサーです
写真はお土産のシーサーです

今回の全国大会が沖縄ということなので、久々に友人を訪ねる目的もあり参加しました。学生時代からの友人です。今は、離島でシーサーの放牧をしています。 

20年ほど前、偶然に見つけたシーサーを育てたもので、現在は30頭ほどに増えました。少数の会員(私もその一人)で運営しています。 

きっと、門や屋根の上に置かれた魔除けのシーサーは見たことがあると思いますが、生きたシーサーは、なかなか見られるものではありません。
もう少し数が増えたところで「シーサー牧場」として、多くの人に楽しんでいただこうと計画をしています。私たちの夢です。 

大人になっても体長は15cm程にしかならず、我々は「手乗りシーサー」と呼んでいます。ご存知のように、いかつい顔をしていますが、とても人懐っこく温厚で、手に乗って餌を食べる仕草などには癒されます。本当にかわいいものです。 

知能や運動能力はきわめて高く、我々の言葉も相当わかるようです。ですからテレビを見ても内容を理解しています。何が気に入ったの分かりませんが、最近は「3と3の倍数・・」を覚え、牧場の真ん中で30頭が一斉に真似をしています。やっぱり「アホ」でしょうか。何でも食べますが、ドッグフードが一番のご馳走のようです。 

オープンした時には、皆さんに一番にご報告いたします。 

静岡部会だより

株式会社アイピーエス 積算部 藤曲充信

本年度も引続き静岡部会をよろしくお願い致します。静岡部会では、更新講習や講習会を始め、18年度より始めました浜松工業高等学校への、積算授業を通じ、高校生を対象とした積算業務の普及活動並びに、建築生産に於ける積算業務の重要性についてアピールして行きたいと思います。 

今年の浜松工業高等学校積算授業について、ご紹介したいと思います。 

(開催予定日) 
第1回目  9月17日(水) 8:50~11:50 
第2回目  9月24日(水) 8:50~11:50 
第3回目 10月01日(水) 8:50~11:50 
第4回目 10月08日(水) 8:50~11:50 
第5回目 10月22日(水) 8:50~11:50 
1回3時間×5回=15時間実施する予定です。

(授業課題) 
① 建築積算とは、何だろう 
② 建築数量積算基準を知ろう 
③ 数量積算を実際に経験してみよう 
1. 基礎・地中梁・柱・梁 
2. 壁・床版・雑・土間・土工・地業 
3. 内装・外装・建具など 

以上の様なカリキュラムにて、積算とはの紹介から積算実演までを実施する予定です。他地域の工業高校に於きましても、この様な企画に御賛同して頂けるようでしたら、是非ご検討を願い致します。
又、静岡部会としての活動を一歩でも前進出来ます様、建設業で働く人々への教育を目的とした講習会と、そして市役所や設計事務所並びに総合建設業及び工務店を対象とした、積算授業や勉強会・講習会も開催したいと思っております。

どんな些細な事や10人程度の少人数(出張講習会など)でも結構ですので、東海北陸支部事務局までご一報願います。直ちに計画しご連絡致します。 

北陸部会だより

北陸部会 笠谷 正

◆ 平成20年度北陸部会総会 
平成20年5月12日(土)に金沢勤労者プラザにて開催されました。
当日は石川県土木部営繕課の吉本担当課長にご出席頂き,20人の会員が参加して行われました。出席者数はほぼ例年通りですが,平成20年3月末の正会員数は58名で,北陸部会が平成15年10月に設立時の会員数が50名でしたので,設立当初から会員数の拡大・会の充実を図ってきましたが今ひとつ伸び悩んでいます。
昨年度(19年度は4回開催)から地域別研修会・勉強会を通じて会員数の拡大を図っていますが,その効果は,今後この活動を継続してゆくことによって現れるものと期待しています。 

貴重な時間を使って総会に出席される皆様との懇親会を兼ねて,平成18年度の総会から外部講師をお招きして講演して頂いてきましたが,本年度は「建築数量積算基準・同解説」平成18年度版の概要について宮西委員から説明して頂きました。積算に関して原点に帰って改めて勉強しなおしました。その後,「建築数量積算基準」の枠を超えて活発な議論が行われました。 

今後共,会員の研修・勉強の場を提供して,皆様の積算技術・資質の向上を目指す自己啓発を支援することができればと考えています。 


◆ 平成20年度 北陸部会の活動報告及び予定 
① 地域別勉会(富山):建設業会館
  平成20年7月25日(金) 定員 30人
  「初級コース」
  講師 藤井正王 ㈱みどり建築企画  

② 地域別勉強会(福井:福井県職員会館)
  平成20年8月30日(土) 定員 30人
  「建築数量積算基準・同解説」平成18年版
  講師 宮西講習副委員長 「初級コース」
上記勉強会を11月以降にも予定しています。 

③ コスト管理士関係 
  講習会,筆記試験,面接試験 
名古屋にて予定しています。

④ 建築積算資格者関係 
  20年度建築積算資格者更新講習
  平成19年11月8日(土) 
  金沢勤労者プラザ にて 

⑤ 役員会その他  
  第3回 8月  
  第4回 12月 (忘年会を兼ねる)
  第5回 3月  

インターンシップ

名古屋市立工芸高等学校 渡辺

就業体験を通して学んだ事は、個人個人の計算の重要性とチームワークです。 
就業体験では、図面の説明、建具積算の説明・練習、内訳書の書き方など色々な事教えて頂きました。
また、最終日には海陽学園に現場見学に行ってきました。そこでは、高校の寮を造っていて図面をみせてもらい、いろいろ書かれていて、自分が知らなかったことが少しだけわかりました。
3日間とも会社の方はとても忙しかったのに私に色々な事を教えて下さいました。 

3日間の就業体験を終えて、初日はとても緊張してしまいましたが、会社の皆さんとても親切で、楽しく就業体験を過ごすことができました。こちらの会社で就業体験する事が出来て本当に良かったです。 
ありがとうございました。 

『支部報』原稿募集のお願い

広報委員会

拝啓  会員の皆様ますますのご繁栄のこととお喜び申し上げます。 平素は支部報「東海北陸」を御愛読いただきまして厚くお礼申し上げます。   当支部では、支部報の発行を年2回行っておりますが毎回役員及び委員からの記事で、新たなコーナーを設けたいと思っています。つきましては、会員の皆様の原稿を募集して当協会の支部報ならびにHPに掲載したいと思います。   尚、出稿していただいた内容は広報委員会により、掲載有無は判断させていただきますので誠に恐縮ではございますが、何とぞ事情を御賢察くださいましてよろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。

 

1 発行部数  500部

2 配布先

  a 静岡・愛知・岐阜・三重・福井 石川・富山に在住する会員

  b 北海道・東北・関東・近畿・中国・四国・九州にある当協会各支部

  c 東海・北陸管内の官公庁(整備局・県庁・市役所等)

  d 東海・北陸管内の建築関係諸団体(建設協会・建築士会・建築士事務所協会)

3 掲載号数  年2回(出稿時期による)

4 掲載形式  A4版(半ページ又は1ページ)

5 掲載内容  御希望どおり (読者からのコーナー)

6 広告版下締切り  随時募集 以上  

 

原稿は

〒460-0008

名古屋市中区栄 4-3-26 昭和ビル9階

社団法人 日本建築積算協会 東海北陸支部 事務局

TEL 052-264-0661

FAX 052-264-0662

E-mail toukaihokuriku@bsij.or.jp

編集後記 北京オリンピック開催!

この支部報が皆様の所に届く頃には、北京オリンピックが開催されていると思われます。 

メインスタジアムの鳥巣はテレビ等でも紹介されていましたが、奇抜な形の為非常に難易度の高い施工技術を要したと思います。
安全性を考慮して当初予定されていた開閉式の屋根を取止め、鋼材の量を22.3%削減した結果の形だそうです。 
下記の内容が鳥巣のデーターです。 

建築面積:25.8万m2 
固定座席数:8万席 
臨時座席数:1.1万席 
南北の長さ:333m 
東西の長さ:294m 
高さ:69m 
使用した鉄鋼の量:4.2万トン 
建設期間:2003年12月~2008年4月。 

今年も暑い夏ですが、テレビ観戦も暑くなりそうですので、皆様も体調管理の方は十分行って下さい。

公益社団法人日本建築積算協会・東海北陸支部