公益社団法人日本建築積算協会・東海北陸支部

支部報 vol.45 2006.8

支部長あいさつ [建築コスト管理士]とコストマネジメント

支部長 杉浦 譲治

 既に皆さんご承知のように、昨年新しく「建築コスト管理士」の資格認証制度が発足いたしました。 今年も既に第2回の検定試験の申し込み受付が始まっています。 また、この制度がより高度な専門技術者として社会の信頼に応え得るため必要な、技術者自らの業務遂行能力や技術力の自己啓発を支援するための継続能力開発(CPD)制度の制定も終わり、この原稿が皆様の目に留まるころには、その運用の説明会が開催されていることと思います。 (本年は7月に名古屋、8月に金沢で開催されます、詳しくは事務局にお尋ねください。) この制度が我国の建築生産システムの中に定着し、会員の皆様の優れた技術力によってコストマネジメントがクライアントの利益のために行われることを期待したいと思います。 勿論これまでもコストマネジメントは行われてきましたが、多くは建設会社における社内業務として企業利益の追求のために行われてきた部分が多く、また一部の民間企業においては設計事務所のコスト担当者がその役を担ってきたのだと思いますが、官公庁工事及び民間工事の多くはクライアント側にとってほとんどコストマネジメントは行われず、契約形態からいっても積算は「点のコスト」にとどまっていたに過ぎないと思います。 
 いまさら言うまでも無いことでしょうが、コストマネジメントは基本計画・基本設計・実施設計等設計における各時点、また工事進行中の各時点において常に事業の経済的側面としての採算性を「点のコスト」チェックを連続して繰り返す「線のコスト」といわれる部分があり、またその採算性は建設関連以外の色々な要素により影響され、阻害されるので、これらの要素を加味しながらコストチェックを繰り返す「面のコスト」チェックがあります。そしてこれらの全てを通して、最後にクライアントに対して価格と品質において大いなる満足を提供することがコストマネジメントです。(「3次元のコスト」とも言われます。) この様に当該事業をコストマネジメントするという事は、その事業において一貫してコストを一元管理する必要があるということであり、川上から川下までのコストを管理すると言うことです。 一式請負が主流の我国の契約システムの中で、まだまだ「建築コスト管理士」の活躍の場の拡大は難しいかもい知れないが、この契約方式の中に含まれる発注者の利益にならない原価がどれほど多いかと言うことを発注者に認識してもらうよう努めなければならないし、コストがどういう意味を持つかということも、もっと発注者に分かってもらう必要があると思います。 つまり「このコストではこれくらいのものしか出来ないですよ、」ではなく、「これだけのコストをかけるなら、こんなことも出来ますよ」と言うようなことを積極的にアドバイスして、発注者に納得してもらうようなことが必要だと言うことです。  いずれにしても、これからの建築生産システムのなかで「建築コスト管理士」の占める役割は大きいと思いますが、そのためには有資格者は勿論のこと、会員諸兄の意識改革が必要となるのではないでしょうか? 在来の積算の概念を打ち破る新しい発想と、行動力が我国の建築生産システムを大きく変える力となるはずです。 多くの皆様が「建築コスト管理士」に挑戦されることを期待します。 

平成18年度 東海北陸支部総会の報告

平成17年度事業報告・平成18年度事業計画

平成18年度東海北陸支部役員

平成18年度東海北陸支部委員

みなさんのおかげ

北陸部会 塚田 律夫

 お礼(恐縮です)
  この度 私が積算協会から表彰していただく事になりました。特別、表彰されるようなことは していなかった積りなので、何かの間違いではないかと恐縮いたしております。長年建築積算協会の会費を納めていたことが、表彰理由のひとつかと思ったりもしています。ご推薦して頂いた関係各位に厚くお礼申し上げます。
 足跡(昭和44年~)
 昭和40 年、清水建設株式会社本社建築部に入社、四年間の現場生活を経て、昭和44年夏 建築部の若手交流教育の一環で見積部に配属。これが私の見積生活の始まりでした。  研修期間中でしたが、部の上司の指示で積算協会発行の月刊誌「建築と積算」に2ページに亘って寄稿文を書いたこともありました。  その後、イギリスの積算動向や建築工事積算基準の制定などの話題を耳にするようになりました。  昭和50年、北陸支店へ転勤し見積課に配属されました。昭和63年夏、気がつけば19年間以上、見積部門で生活したことになりました。その後も現業の総務的役割で建築見積の上流から下流において見積部門に長く配属された経験を生かした活動が続くことになりました。  そこで職制上は見積部門を離れましたが、日本建築積算協会とは何故かご縁が続きました。
 三つの思い出  
 積算協会で私が印象深く思っていることが三つあります。 ・ 建築積算資格者更新講習会で講師の実施 ・ 平成13年、積算協会全国大会を名古屋の皆さんの手助けで金沢で開催できたこと ・ 平成15年、東海北陸支部北陸部会の設立  いづれも、小人数ながら北陸地区会員の皆様のご努力ならびに東海地区先輩諸氏のご支援のおかげで忘れ得ない活動となりました。
 信頼確立は自らの手で
 昨年年末以来、建築業界では「構造計算偽装問題」に揺れています。  最近、ある会合で「最近の積算に意図的な見積落しや計算違いが見受けられた」との話を聞きました。具体的に誰が何をどのようにしたかは明かされませんでしたが、このような話が出ること自体残念な話です。  建築積算資格者への信頼を確立するためにも毅然とした態度で積算業務にあたることが大切だと思いました。  現実的には、積算作業の対価を受ける立場としてはどうしても弱い積算資格者ですが、正確な積算、判り易い調書、コストについて適切な判断と助言などを提供していくことにより、積算資格者やコスト管理者への信頼が増していくものと思います。
 将来に期待
 積算協会加入の会員諸氏が今後さらに有効な活動を展開されていかれることを祈念いたします。  この度は 真にありがとうございました。 

生涯青春

(株)二葉積算金沢事務所 須曽 晃

 平成2年11月、縁あって再び二葉積算に籍をおくことになった。
  以来16年あまりの時が流れた。人ごとのように思っていたことが現実になり、ことし10月で60才定年。あっと言う間のできごとのように思うがひとつひとつ思い出してみると、結構それなりに長い物語になる。学校出てから一番最初に会社に勤めたのが二葉積算でした。べつに積算がやりたくて入った訳ではありません。なんとなくです。 以後、施工と設計の分野も経験しました。 結局建築畑を歩いてきたわけです。
  夜は遅く、日曜祭日はなし。やってもやってもおなじことのくり返し。途中、何度も「こんどこそきれいさっぱりと建築から足を洗おう」と思ったものです。
  よそに行けば、何もかも自分に都合のよいことに なると思っていたのでしょう。 でも今は違います。今までやってきたことはよかったと思っています。限りあるこれから先だが、結構長い物語になるでしょう。
  希望をもって前向きに生涯青春の気概で取り組んでいこうと思っています。これと言って特にお役に立ってもいないのに、表彰をうけました。 皆様のおかげと感謝しています。
  これからもがんばっていきます。よろしくお願いいたします。

新役員紹介

(株)清水建設株式会社名古屋支店 見積部 市橋延也

 このたび、新しく東海北陸支部役員を務めさせていただくことになりました市橋です。
  以前は建築現業におりましたが今年2月より見積部に配属になり、積算の世界へ入ってまいりました。今までは見積といえばアウトプットされた見積書、というイメージが強かったのですが実際に内部に入り業務をこなしていると、正確な積算・見積を作るには大変多くの確認作業や単価の合理性等、見積部の内にいなければ分からなかったことも多く戸惑うことも多くありました。今は日々勉強中です。そのような私が支部役員を務めることになり皆様の足を引っ張ることありはしないかと大変緊張しております。反面経験豊富な方々、多様な考え方の方々と接する機会を頂いたことに感謝をしております。微力ではありますが皆様と協力して努めていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

講習委員会だより

講習委員長 硎谷智彦

 今年度の講習委員会は、従来の募集型の講習会とは違い、会員皆様の参加型研修会(勉強会)を企画しています。参加型研修会とは、自分が勉強したいこと、理想とする参加人数・会費・日時・会場等を企画・提案していただく研修会です。 また、出張型研修会も企画しています。 出張型研修会とは、都市周辺以外の会員の皆様には大変な不便をお掛けしてきました。全国統一の講習会は別として、支部で企画する研修会は少しでも皆様の負担(交通費・時間等)を軽く出来るよう、当協会より講師を派遣致します。
  人数は10名前後、会場は貴社の会議室、研修内容は貴社の要望するもの等と、極力経費を掛けないで内容の濃い研修会にしたいと考えています。 両研修会共、皆様のご協力が必要となります。 詳細は、積算協会東海北陸支部のホームページに掲載致します。
  そして、本年10月よりCPD(継続能力開発)制度の運用が開始されます。 「建築コスト管理士」が誕生し、「建築積算資格者」も含め、両資格者が自己研鑽に励み、技術の向上を図り、社会的に信頼・認知されることを目的としています。 単位取得のためにも、数多くの講習会、研修会等が必要となります。当然、参加型研修会も出張型研修会も認定プログラムとなります。 会員皆様の参加をお待ちしております。
(社)日本建築積算協会東海北陸支部   
    E-mail:toukaihokuriku@bsij.or.jp 

教育委員会だより

設計審査委員会だより

設計審査委員会 委員長 西田 彰

 やっと今年も活動を開始いたしました。昨年までは審査室にはエアコンも扇風機もなく、夜間の審査は汗だくで行っていましたが、先ごろエアコンが入りました(~~)v 。頭もスッキリ、審査はきっちり、鬼のチェックマン7名で今年もがんばっています。
  今年の審査物件は5~6件と聞いております。年々減少の状況にはありますが、新しい動きもありました。 昨年度まで行ってきた設計審査は、岐阜県健康福祉部高齢福祉課より・・・基本的には新築物件に対する審査をしてきましたが、先日、同部健康福祉政策課から改修物件の審査依頼がありました。対象は工事費1000万円以上の物件で、今年度は2物件の予定です。
  但し、この審査を進める為には今までのチェック表は使うことができず、新たなチェック表の作成が必要であり、さらにこれを決められた時間内にどのように行うかのシステム作りに取り掛からなければなりません。(この原稿を書いている今は何も決まっていませんが、発行される頃には 1物件くらい審査しているかも・・・。この一か月にどのように動いていくのか楽しみです。)
  昨年の暮れに始まる、構造計算書の偽造とその審査のズサンさが問題となっていますが、巷では当協会の設計審査は厳しい言われています。あたり前のチェックを行っているだけで、特に厳しいとは思いませんよ。審査が厳しいのではなく設計書の出来が悪いだけですから。
  そんな設計審査で設計書のチェックをしてみようと思われる方がいらっしゃいましたら、積算協会東海北陸支部のホームページをご覧ください。参加申し込み用紙等が準備されています。よろしくお願いいたします。 

ホームページ委員会だより

(有)エスム積算 松岡 貴敏

 お疲れさまです。
 ホームページ委員会では去年からトップページを変えようとしていますがなかなか実行できていません。今年度中には変えれればいいと思っています。 最近協会員のみなさんはホームページを見ていただいてるでしょうか? いままでよりほんの少し早く更新できるようになったと思っています。
  みなさんはどう思われますか? これからは各委員会のご協力によりますが少しでも早く更新していきたいと思っています。 そして、掲示板も復活するようにしたいと思っていますので一般の会員のみなさん方も何か意見があれば復活を予定している掲示板に書きこんでいただけるとうれしいです。 また、個人保護法で個人名を掲載するのがむずかしくなるのでなくなる項目がでてくるかもしれません。
   これからもホームページ委員4人全員で協力しあってがんばっていきますので宜しくお願いします。 話は変わりますけど去年の今頃かもうちょっと先ぐらいで私は入院してしまいました。2ヶ月弱です。 その間他のホームページ委員のみなさんにはホームページの更新やらその他いろいろ迷惑かけてしまいました。
   4月から委員長やらせてもらっていますが委員会のなかで一番できないので足引っ張らないようこれからがんばっていきたいしと思っています。 

U・S発電所開設

株式会社丹羽英二建築事務所 経営企画部 部長 宇野 純也

 我が家が築20数年経ち、台所等リニュ-アル時期になり、昨今新聞・テレビ等で言われる、オール電化と言う声を聞くに連れ、屋根に太陽光発電をと考えるようになり、あるメーカーが突然我が家に、どうですか尋ねてきた。よって、これ幸いと考え、話しを聞く事にした。

質問 回答
採算は合うか 平均で4時間ほど、日照時間あれば、
採算は取れる。
屋根に設置できるか 屋根に設置できる。
メンテランスは必要か 将来的には表面のほこり等の清掃
程度でメンテランスの必要はない
との事

以上の事いろいろ考えた結果、2年前に工事を完了し、よかったかどうか検証する。
 1)、採算はどうかについて—結論的には、採算は合わない。理由としては、15年ローンにして、設備投資分の8割程度は回収不可能と思われる。日照時間ですが、17年度のデータでは 3.35時間/日であり、4時間/日には及ばず。
 2)・3)については、今後どのようになるかわかりませんが、今のところは支障なし。
 

総括 @ オール電化は、火の危険なく 快適である。
         (エコキュート、同時施工) 
  @ 機種、メーカー選びには慎重に行うべし。
 (他メーカーより曇りでも発電量が多いとの事)


追記
 今回、データベース委員会の木谷委員長が、任期1年残して転勤される事になり、宇野が残り分の任期を微力ながら引き受ける事にしましたので ご指導のほどよろしくお願いします。
委員会としては、前委員長が考えられた活動テーマの中身充実を基本に考えたいと思います。

  1) 物価版の利用法・読み方の中身充実
    --質疑を受け付けています。
  2) 個人情報保護法(抜粋)
    --ホームページに掲載
  3) チェックのノウハウのまとめ 
    --数量のチェック手法 等

 

名古屋ルーセントタワー 牛島南第一種市街地再開発事業

大成建設㈱名古屋支店 建築部積算室 大田 耕二

【外観イメージパース】
【外観イメージパース】

  1. 開発概要
     市街地再開発で注目される名古屋駅前地区の北側で、外壁の緩いカーブに特徴のある超高層ビル「名古屋ルーセントタワー」の建設が急ピッチで進められています。このビルは、名古屋駅の北約400mに位置し、牛島南第一種市街地再開発事業におけるメインの建物で、完成すれば地上40階、高さ180m、貸床面積79,000㎡となり、貸床面積では名古屋地区最大となります。この事業は、従前地権者である法人5社と個人1名の組合施行による再開発事業で、開発コンセプトに「名古屋駅前の都市環境形成に配慮した次世代のビジネス拠点の創造」を掲げ、地域の総合的な環境整備とオフィスワーカーの利便性を追及して進められています。

  2. 施設概要
      収容人員7,000人を想定したオフィス棟「名古屋ルーセントタワー」、駐車台数354台の自走式立体駐車場、周辺地域へ安定的に電力供給を行なう中部電力の変電所を建設する他、ビルの地下2階から名古屋駅に直結する幅員6.0mの地下通路を建設します。周辺環境整備としては、敷地西側に巾9.5mの道路を新設し、周辺道路沿いに歩道状空地を整備する等の交通環境に配慮しています。また、事務所棟南側には緑豊かな広場を配置し、オフィスワーカーや来館者の憩いの場を創出します。
    【事業の概要】
    1.事業名
    牛島南第一種市街地再開発事業
    2.事業者
    名古屋鉄道、中部電力、トヨタ自動車、住友生命、大成建設、個人1名
    3.全体概要
    所 在 地 :名古屋市西区牛島627番地
    開発面積:約2.1ha
    地域地区:商業地域、防火地域、準防火地域、駐車場整備地区
    敷地面積:14,100㎡
    1.事 業 名: 牛島南第一種市街地再開発事業
    2.事 業 者: 名古屋鉄道、中部電力、トヨタ自動車、住友生命
            大成建設、個人1名
    3.全体概要: 所 在 地         開発面積 約2.1 ha
            地域地区 商業地域、防火地域、準防火地域
                 駐車場整備地区
            敷地面積  14,100㎡
            延床面積 143,388㎡
     4.工  期: 一期工事 既存解体工事、特高変電所新築工事
    平成13年6月~平成16年5月
            二期工事 オフィス棟、超高圧変電所、駐車場棟
                 地下道新築工事他
    平成16年5月~平成19年1月
    5.設計監理: ㈱日建設計
    6.施  工: 大成建設㈱
    7.事業経緯: 平成 4年 2月 牛島町再開発準備組合設立
    平成12年12月 都市計画決定
           平成13年 2月 牛島市街地再開発組合設立
           平成13年 5月 権利変換計画認可

    【開発概要】
     ■建築物 
    項目 オフィス棟 駐車場棟 超高圧変電 特高変電所
    建築面積 3,883㎡ 1,733㎡ 146㎡ 1,612㎡
    延床面積 115,200㎡ 10,999㎡ 11,091㎡ 6,098㎡
    規  模 地上40階
    地下3階  地上7階 地上1階  地下3階 地上3階   地下1階
    構  造 S造   一部SRC造 S造 RC造 S造
    高  さ 180m 27m 21m 24m
    駐車台数 18台 354台
     
    ■工作物
     地 下 道: 幅員6.0m 高さ2.7m 延長290m
  3. オフィス棟の特徴とフロア概要
      建物の外装はアルミカーテンウォールと小口タイル打込みPC版で、東面の外壁は緩やかなカーブでセットバックしている。これは建物のデザインであると共に、電波の反射障害対策にもなっている。
     西側は、日射負荷軽減のため、屋外機置場を配置し
     直線的なデザインを基調としたアルミパネルとしています。
    4階~40階は、1フロア当たり2,220㎡から1,560㎡のオフィスフロアで、16階には、ビジネスコンビニ、貸会議室が計画されています。ビジネスコンビニは24時間対応で様々なオフィスニーズに応えられる利便施設と位置付け、入居予定のテナントから期待が寄せられています。
    3階にはMRIをはじめとした高度な検査機器を備えた健診センターと内科、婦人科、メンタルヘルス等のクリニックで医療モールを形成します。
    地下1階~2階は商業フロアとして、テナントミックスを考慮して誘致した魅力的な店舗が、オフィスワーカーの昼食やアフターファイブをサポートします。
  4. オフィス棟の設備
    • 空調方式はゾーン毎に自由に温度調節が出来る冷暖フリーのビルマル チ方式を採用
    • システム天井の600角パネルに、照明器具、空調の吹出し口、スプリンクラー等を組み込んだグリッド天井を採用。
    • 天井照明に蛍光灯自動調光システムを採用し省エネを実現
    • 水損事故を最小限にする湿式予作動式スプリンクラーを採用
    • 中央監視設備に連動させた最新型非接触ICカードによるセキュリテーシステムを採用
    • 事務室の全ての窓側に個別制御が可能なペリメーターを設置
    • エレベーターは、低層、中層、高層のそれぞれのバンクに23人乗り8台を配置し、1階エレベーターホールからスムーズな移動ができる計画となっています。
  5. 工事の実施状況と今後のスケジュール
      再開発の二期工事は、オフィス棟、超高圧変電所、駐車場棟、地下通路の新築工事を一体に行なうもので、地下21mの事務所棟の掘削と地下通路の掘削時に地下鉄東山線の函体や中部電力の既設洞道へ影響を与えることなく、33ヶ月の短工期で工事を完成させる事が命題でした。 
    工事に当たっては、1999年に完成したJRセントラルタワーズの工事経験を生かすとともに、新しい構造材料、工法にもチャレンジして、行政、再開発組合、日建設計の指導を頂きながらここまで順調に工事を進捗させてまいりました。
    現在オフィス棟は、屋上のタワークレーンの解体中で、これから10月にかけて仕上げの最も忙しい時期になります。同時期に建設が進む超高層ビルと共に、当開発事業が名駅地区のさらなる発展の起爆剤となることが期待されています。来年1月の竣工に向けて、関係者一丸となって建物の仕上げ工事を進めると共に、テナント入居工事やビルの運用計画の充実を図ってまいります。

 

徳山ダム見学会

岐阜部会 会員

6月14日(水曜日)岐阜部会より、徳山ダム見学会を開催しました。

□ 工事状況
平成12年3月の堤体建設一期工事着工が開始しました。
平成18年6月時点では、工事の9割程完成しました。
11月頃から試験湛水を開始し、平成20年春には、管理が開始されます。

□ 目的

洪水調整 横山ダムと合わせて、ダム下流地域の洪水被害外を軽減します。
流水機能維持 沿川のかんがい用水の補給を行う。
新期利水 貯留水を利用して、岐阜県、愛知県および名古屋市の水道用水、工業用水として利用します。
発電所建設 平成26年度運転開始予定


□ ダム計画

型式 中央遮水壁型ロックフィルダム
堤高 161m
堤長高 427.1m
  上流端から下流端まで約1kmあります。


□ 貯水池計画

集水面積 約254.5K㎡
湛水面積 約13K㎡
総貯水容量 約6億6000万㎥
有効貯水容量 約3億8040万㎥


□ 道路と施設
平成12年春に一部供用開始しました。
できる限り自然を残すために、道路はトンネル(8割程度)や橋のルートで造っています。
道の駅も整備され、休憩場所や特産物の販売も行っています。

□ 見学して
揖斐川流域の周辺で生活をして、大雨が降った日は、水が車の3分の1ぐらい浸かる場所も何か所あります。
なので、徳山ダムの建設は必要不可欠だと思いました。
その反面、ダム建設によって徳山村は水没するため、住民約1500名は生活場所を失いました。
なので、徳山村集落があったことを、忘れてはいけないと思いました。

インターンシップ

名古屋市立工芸高等学校
建築システム科 2年 脇田 祥治

私は、就業体験で硎谷建築積算事務所にお世話になりました。
最初の積算のイメージは、計算機で人件費の予定金額を求めるものだと思っていた。 実際は、設計図と仕様書にもとづいて、コンピューターを主に使い必要な材料の数量や箇所を求めるところからやって、工事予定費を算出することでした。 就業体験では、基礎部分のコンクリートの体積や型枠の量を求めたりした。
積算はまだ学校でならってないので、知らないことがたくさんあったけど丁寧に説明してもらい、わかりやすかったです。

今回の会社みたいに駅から近くて出勤時間が遅くて、クーラーがついてる部屋で仕事ができるという条件のなかで一日目で体調が悪くなるのは、体調管理ができていないということだと思いました。
就職する前に体調管理が下手なことを知ってよかったです。体調が悪くなったせいで、せっかく考えてくださった午後の予定がやれなくなって申し訳なかった。
どんな仕事でも体調管理はとても大切だと思いました。
これからはバイトなどして、社会勉強や体調管理が出来るようになりたいです。

会社の人は明るくて、おもしろかったです。
会社の人を見て、社会人とは人づきあいがよくて、めりはりや責任を持って仕事ができる人のことだと思いました。

就業体験の3日間は貴重な体験をさせていただき、いい勉強になりました。今回の事を就職・残りの学生生活・テストや進路決定などに役立てたいです。

就業体験

名古屋市立工芸高等学校
建築システム科2年 服部亮子

私は、3日間の就業体験を終えて、思っていた以上に初日はとても緊張して、家に帰ったらすぐに熟睡していました。
でも会社の方は皆さんとても親切で、楽しい方ばかりでこの会社で就業体験する事が出来て本当に良かったなぁと思いました。

2日目には、図面の説明、質疑書の作成、検算、建具積算の説明・練習など色々な事を教えて頂きました。
3日目には、2日目にやった建具積算の内訳書作成をしました。

3日間とも会社の方はとても忙しかったのに私に色々な事を教えて下さいました。
私が就業体験をして感じた事は、積算の仕事は一人一人での計算などもそうですが、やはりチームワークが大切なのかなぁと思いました。

1つの建築物の金額などをみんなで出していく大変な仕事だと思いますが、それ以上にやりがいのある仕事なのだなぁと会社の方々を見ていて思いました。

平成18年度愛知県建設技術研修

講師:西田 彰

愛知県では毎年、県及び市町村の建設部の技術職員(初任者)を対象として研修会(建築基礎講座)を開催しています。当協会は今年も7月5日に「建築積算」の内容で90分をいただきました。

今年は、産業貿易館の隣のアイリス愛知にある愛知県自治研究所で開催されました。
昨年の講義では、数量積算実務・拾い方を取り入れてほしいとの要望(難題)がありましたので、悩みに悩んだ末の血のにじむようなテキストを作りあげました。
数量の拾い出しから集計・内訳書のできるまでを順に分かりやすく数量を追いかけられる、初心者向きのテキストです。
これが後日届いた講義アンケート結果で(大)好評!!と分かりましたので、決して手を抜いたわけではありませんが・・・今年も同様の講義としました。
昨年は、この数量積算に時間をかけ過ぎた為、いつも行っている「積算チェック方法」が十分にできず、時間配分ミスに自己嫌悪に陥っていましたが今年はスッキリまとまりました。
この支部報が発行される頃にはアンケート結果が届いていると思います。今年の結果はどうでしょうか。

残念ながら、この研修会は年々縮小され、今迄の2日間が1日となりました。
受講者も以前は60人程でしたが、昨年からは激減し、ついに今年は34人となりました。当然、講義科目も削減され、それぞれの持ち時間も少なくなりました。
私以前の講師の話によれば、半日をかけて数量積算の実技をしたとか・・・。でも、積算の講義を残していただいた事にはとても感謝しております。

こんな時に少しでも多くの職員の方々に積算に接していただき、興味を持っていただけるよう肩のこらない積算のお話を続けていきたいと思います。
また時間があれば「キリストから始まる積算の歴史」の一席、やってみたいものです。

平成18年度「建築積算資格者」試験のご案内

アスベスト分析から撤去・修復まで

日本インシュレーション株式会社 岐阜営業所長 野田 寧宏

1.はじめに
 当社は,昭和41年の無石綿ゾノトライト製造技術の発明を足がかりに,業界に先駆けて耐火被覆材の無石綿化を昭和61年までに実現した実績を基に,アスベストの分析,処理から耐火被覆の復旧まで総合的に対応しています。ここでは,それらの技術の概要についてご説明します。

2.石綿分析

1) 設計図書による調査  
  設計図書による1次スクリーニング調査を行い, 石綿含有建材がどの施工部位にどのような使用目的で使用されているかの目安をつけます。  
2) 分析調査  
  ①試料採取
設計図書による調査により目安をつけた施工部位,使用目的別のサンプリング作業を実施します。試料は部位ごとに3ヶ所以上から採取します。石綿含有吹付け材(レベル1)では10cm2程度ずつ,石綿含有保温材,耐火被覆材,断熱材(レベル2)では100 cm2程度ずつ採取し,同一容器(チャック付きプラスチック袋又はふた付容器)に入れ,試料番号,採取年月日,建築物名,場所等を記載したラベルを貼ります。体育館等1フロアの面積が3000㎡以上の場合は600㎡ごとに1試料を採取するようにします。

②石綿分析(定性分析)
サンプル中の石綿の有無及び存在する石綿の種類を分析するもので,サンプルの状況に応じて,X線回折分析や顕微鏡観察などにより行います。

③石綿分析(定量分析)
サンプルをX線回折分析を行い,検量線を使って石綿含有量を求めるものです。定量分析は,定性分析で含まれる石綿の種類を明らかにしてから行います。
 


3.石綿処理
 吹付け石綿は,平成17年7月から施行された石綿障害予防規則に基づき適切に処理しなければなりません。石綿含有の建材も同規則で処理の手順が決められていますが,ここでは省略します。

 事業者や建築物の貸与者は,建築物に吹き付けられた石綿が損傷,劣化等によりその粉じんを発生させ,労働者がその粉じんに暴露する恐れがあるときは,当該吹付け石綿の除去,封じ込め,囲い込み等の措置を講じなければなりません。(石綿障害予防規則第10条)

 当社の石綿除去技術は,(財)日本建築センターの技術審査証明を取得している。その工程を図1に示す。

 吹付け石綿等の使用場所例及び施工中止時期の目安を以下に示します。(厚生労働省発行「建築物からの石綿粉じん対策」から引用)

 



○使用場所例
 ①3階建て以上の鉄骨造の建築物のはり・柱等
 ②床面積の合計が200㎡以上の鉄骨造の建築物
   のはり・柱等
 ③ビルの機械室,ボイラー室等の天井・壁
 ④ビル以外の建造物(体育館,講堂,温泉の建
  物,工場,学校等)の天井・壁
○施工中止時期
 ①吹付け石綿: 昭和49年以前に施工中止
 ②石綿含有吹付けロックウール: 昭和55年
   以前に施工中止
 ③その他の石綿含有吹付け材: 昭和63年以
   前に施工中止

4.アスベスト除去後の復旧
 吹付け石綿の除去後は,速やかに無石綿の代替の材料を施工しなければならない。

 当社では,耐火被覆であれば,粉じんの発生が少ない「けい酸カルシウム耐火被覆板」を推奨している。

 



5.おわりに
 昨年7月以降,石綿処理の需要が急増し,適正な技術を有する石綿処理業者の選定が重要である。前述の(財)日本建築センターの技術審査証明を取得していることは一つの判断基準となるし,発注者も,建設業労働災害防止協会が発行している石綿粉じんへのばく露防止マニュアルなどを参照して業者選定の参考にするのがよいだろう。

平成18年度「建築コスト管理士」試験のご案内

建築コスト管理士のみなさんが望むこと

第一回の建築コスト管理士試験の面接時に、受験された皆さんからお伺いした「積算協会への要望等」を取りまとめましたので紹介させていただきます。
名古屋と金沢の皆様の意見です。類似意見もたくさんありましたので、そのような意見は一つのみを紹介させていただきました。悪しからずご了承ください。


「具体的に、何がどうなるのか分からない。よって要望も具体的には思いつかない。」

「木造については、材料価格・手間についても数多く手がけてきたので自信がある。この部分については協力できる。」

「コストについての講習会を開いてほしい。」

「一人でやっているので時間がないので協会の活動に参加するのは難しい。」

「活動に参加はしたいが奥地にいるので、出てくるのに大変。」

「普遍的なコストデータの蓄積を要望。」

「会社のデータから協会としてのフォーマットを希望。(データの統一)」

「講習会等による技術向上の機会として期待。」

「アンケートをもっと活用してほしい。」

「適正な価格が守られるような環境作りをしていきたい。」

「積算関係の情報をもっと知らせてほしい。(広報活動の充実)」

「建築コスト管理士の資格を多くの人に取らせるためにも、建築士並みの扱いがされるように努力をしていただきたい。(積算資格者は名刺に入れてないが、建築コスト管理士は入れる)」

「建築コスト管理士の名前を広め、一般の人に認知してもらえるようにしたい。」

「姉歯事件は積算協会にとってチャンスではないか。この機会に設計や企画に対する機構が果たせるようにリードしてほしい。」

オークション生活

吉原 光二

きっかけは「猫の爪きり」でした。
良い物がないかと思い、ヤフーオークション(以降ヤフオク)で探したら、¥300で手に入ったのです。送料を含めても¥500程度で済んだと思います。
店で買ってもそのくらいで売っていますが、探す手間がはぶけてこれは結構便利だなと思いました。
それでもオ-クション詐欺などが不安でヤフオクの売買には少し懐疑的な気持ちでした。 その後「まあこんな程度の金額ならだまされてもいいや」という気で、せいぜい1000円程度の商品を落札して遊んでいるうちに、わたくしヤフオクにはまってしまったのです。
やっているうちにコツさえ掴めば、騙されるような事はまず無いことが分かりました。支払い方法も安全であることが分かってきたのです。
私が今までヤフオクで落札したものを少し紹介しますね。

【ふきのとうとタラの芽のパック¥420】
摘んだばかりの新鮮なのが送られてきました。旨かったです。あまり新鮮でないやつを普通のスーパーで買っても二つで¥1000以上はするそうです。(女房談)送料も¥180でしたので、かなりお得でした。

【S社のプレミアムビ-ル350ml 3ケース】
¥11800+送料¥700でした。1缶にすると¥174です。安売りの酒屋で買っても¥230くらいするのでとてもお買い得でした。何と言っても宅配のお兄さんが重いのを玄関まで持ってきてくれるのが助かります。続いてもまたビ-ルですが

【S社の試供品ビ-ル250ml 4ケース】
¥8160+送料¥800でした。1缶にするとなんと¥93です。発泡酒じゃありません。新製品で賞味期間も6ケ月あるのになんでこんなに安いのかすごく不思議でしたがその後試供品であることが判明。でも問題なし。(もう飲んじゃったし)

【松葉蟹1kg¥2720+蛍烏賊500g¥620】
これは冗談で入札したら、とれちゃいました。ビックリです。ついでに追加で生モサ海老500g¥1050もゲット。クール便の送料¥1365 合計¥5755で山陰の海の幸を満喫しました。巨大松葉蟹は脚に赤い札(本物の印)も付いていました。蛍烏賊も新鮮で海老はまだ生きていました。この日はホント幸せでしたね。

【有名銘柄の芋焼酎 900ml 2本¥80】
¥800ではありません。¥80です。一本¥40でした。送料¥500がすごく高く感じられました。個人の出品では時々このようなラッキーがあります。オークションの隙間狙いとでもいいましょうか。¥1で里芋2kgを落札した人もいます。お歳暮、お中元の季節を過ぎた頃が狙い目かも。

【新幹線のぞみ名古屋-東京往復チケット¥17500】
これは少しドキドキしました。私の取引き最高額でしたから。無事届いたときはホッとしました。では次に失敗例を

【某有名ブランドのポロシャツ ¥2100】
新品未使用と謳っていたのに、試着の跡が明らかにありました。細かいゴミみたいなのも付着していたので出品者にメ-ルでお知らせしたら(つまりクレームをつけたら)無視されました。 もうひとつ失敗したのは

【ウニのビン詰め 三本 ¥1000】
結構美味しかったけど、三本は多すぎました。いまだに冷蔵庫の片隅に潜んで(ひそ)います。

今まで数十件の商品を手に入れましたが失敗だなと思ったのはこのふたつぐらいです。
こうやって羅列すると何だか私の趣味、嗜好が非常によくわかってしまいますね。
まだいろいろなものをヤフオクで手に入れています。安かった物、美味しかった物、いつかこの続きを書くことがあったらまた紹介しますね。ヤフオクを有効に利用すると結構楽しいですよ。

静岡部会だより

株式会社アイピーエス 積算部 藤曲 充信

新年度も早くも3か月が過ぎ様としています。
本年度の静岡部会では、更新講習や講習会を始め、前年度より始めました浜松工業高等学校への、積算授業を通じ、高校生に対し積算業務の普及活動並びに、建築生産に於ける積算業務の重要性をアピールして行きたいと思います。
前述の浜松工業高等学校積算授業について、ご紹介したいと思います。

(開催予定日)
第1回目 10月 4日 8:50~11:50
第2回目 10月11日 8:50~11:50
第3回目 10月25日 8:50~11:50
第4回目 11月 1日 8:50~11:50
第5回目 11月 8日 8:50~11:50
1回3時間×5回=15時間実施する予定です。

(授業課題)
① 建築積算とは、何だろう
② 建築数量積算基準を知ろう
③ 数量積算を実際に経験してみよう
  1. 基礎・地中梁・柱・梁
  2. 壁・床版・雑・土間・土工・地業
  3. 内装・外装・建具など

静岡部会ととしての活動を一歩でも前進出来る様、建設業に働く人々への教育を目的とした講習会等のご要請がありましたら、どんな些細な事でも結構ですので、協会までご依頼願います。
追申:講師等の派遣による講習会・勉強会又は10人程度でも結構です。

岐阜部会だより

(有)エスム積算 松岡 貴敏

岐阜部会では毎年恒例になりました積算教室を今年も開催します。
参加者は高校生が半分くらいで後は積算事務所関係、設計事務所関係の人達、後一般の方々で開かれています。支部報がでる頃にはもう1・2回開催されています。
今年の開催日は下記のとおりです。

2006/7/22(土)
2006/7/29(土)
2006/8/ 5(金)
2006/8/19(土)
2006/8/26(金)
場所・・・岐南町公民館,西町民センター 

岐阜部会事業計画
 2006/4/13(水)平成18年度部会総会
 2006/5/25(木)住宅用火災報知器設置講習会
 2006/6/14(水)見学会(徳山ダム)
 2006/8/26・27(土・日)研修旅行
 2006/10/(土)見学会
 2006/12/13(水)忘年会
 2007/2/15(水)反省会及び19年度事業計画
 2007/3/14(水)役員会

上記のように積極的に活動しています。
これからも部会員一同がんばっていきますのでご指導・ご鞭撻宜しくお願い致します。
また毎年恒例となりました旅行もあります。 支部報がでる頃は締切りかもしれませんが年々人数が減っていますので岐阜部会以外の方でもかまいませんのでご参加下さい。
岐阜部会からのお知らせでした。

北陸部会だより

北陸部会 笠谷 正

北陸部会の平成18年度総会が去る5月13日(土)に金沢勤労者プラザにて開催されました。
当日は石川県土木部の地井営繕課長そして東海北陸支部の杉浦支部長,道家事務局長の出席を頂き,15人の会員が集まりました。
折角の機会ということで,少しでも会員の勉強の場を提供して,積算研修の一環として,で総会では初めて講習会を企画しました。
最近,社会問題としてクローズアップされている“アスベスト”に関して(有)川商の代表取締役の川島様・当部会の塚田顧問に講演して頂きました。お忙しいなか,貴重な資料を使って,実践的な内容で大変勉強になりました。
今後もこのような研修の続けたいとおもいます。

さて,当日も来賓のお二人からも夫々の立場でお話がありましたが,建設業界は大変な逆風のなかにあります。
積算境界に絞って考えてみますと,会員数の減少という協会の存続に関わる大変な問題を抱えています。
平成8年に“積算資格者制度”が新設され,翌9年,10年と資格者が誕生しその中の多数の方が会員になられました。しかしながら当時の資格者の高齢化・定年による資格更新の取止めの増加の一方,新しく資格を取得して会員になる方の減少で自然減の傾向が止まりません。
こうした中で,当積算協会は昨年創立30周年という節目の年に当り懸案であったコストの問題に踏み込んだ“コスト管理士”資格制度の認定業務を発足致しました。
今後もこの制度を継続して行く事になっています。有効期間が5年ですから,しばらくは会員数の減少傾向に歯止めが掛ると思われます。
しかし積算資格者同様コスト管理士も高齢化とゆう問題を避けて通ることはできません。 コスト管理士制度が定着し,会員数が安定的に伸びてゆくようにメリットの有るものに しなければなりません。
残念ながら現状ではコスト管理士・会員になることによる取り立ててのメリットはありません。 積算士・積算資格者も業界内に定着するまで20年近く掛りました。
まだまだ社会的適認知度は極低く物足りないものがありますが,一応積算業務に携わるものにとっては不可欠の資格となっています。
コスト管理士も時間はかかりますが,日頃の業務の上で会員の技能向上・継続的な研修によって社会の信頼を取戻し,メリットのある資格に育ててゆくことが肝要かと思います。

建設業を取り巻く環境は厳しいものがありますが、建設業は基幹産業であり,その中でコストを含めた積算業務は建設生産のあらゆる局面で必要欠くべからざる大事な業務です。
その意味でも将来的に決して悲観的になることなく常に前向きに努力していくべきと考えます。
今後,会員の皆様のより一層のご協力をお願いして私の挨拶といたします。

編集後記

公益社団法人日本建築積算協会・東海北陸支部